「チィちゃん早く診察券出そうよ。」
「最近病院多くない・・?」
「手抜きしないで頑張って、って言ったのはチィちゃんでしょ。」
「マスターは極端なんだよう・・。」
「今日はすぐ済むから大丈夫。5分も掛からないくらいの簡単な作業だから。ちゃっちゃっと済ませよう。」
「ちゃちゃっとね。ちゃっちゃっとちゃちゃっと。」
「いつものように、確認用に1枚。まずは正面ね。」
「次はちょっと角度付けて1枚。」
「今日は何するの?」
「耳をちょっとね。お試しでもあるし、そのままずっとの可能性もある。」
「軽い気持ちで私を不安にさせるのね・・・。」
半分お試しでもあるので、今回使うのは骨格作成時に余ったケーブル。
耳の長さ半分程にカット。
これをソフビ?部分と中のウレタン部分との間に差し込む。
赤線部分、ウレタンとの接着を剥がしてあるギリギリの位置に設置。
今後好みの角度が見つかったり、髪型によっては耳を閉じた方が作りやすいのもが出てくるかもしれないので、今回は接着剤での固定はなし。
というだけの簡単を通り越した瞬間作業で終了。
ただ、期待してた通りの効果は出た。
今までの下が潰れたような形に比べて、全体的に自然になったように思う。
見た目に関する改造関係はどうしても自己採点が甘くなってしまうけど、今回は綺麗に成功でいい、 と思いたい。
「という訳でチィちゃんお疲れさま。」
「ん。なんか耳の裏がスースーする。」
「そのうち慣れるよ。せっかくだし、耳出しでピン留めしてみよう。」
「それで、うまくいったの?自分じゃわかんないよ。」
「正面からでも耳がちょっと見えるし、結構いい感じだわ。」
「うまく行ったならよかったよ。」
「耳がちょっと横に出てると小動物的な可愛さが出るね。リスとかサルみたいな。」
「小動物・・。サル・・・。それ褒めてるの?」
「ベタ褒めだよ??」
「そ、そうなんだ。それならいいや。」
耳出しに欲が出てしまったので、今度はウィッグにちょっと注文を付けたくなってしまった。
耳を出した状態でウィッグを被せるので、もみあげ部分もしっかり覆ってくれるものが欲しい、けどそんなのあるのかな。
取り替えの時期が来たら探すポイントとして抑えておこう。
横の毛を全て後ろに回して正面から。
ウィッグの浮きのようなものが気になってしまうのと、角度を付けるのに使用したケーブルよりも高さのあるもので、もう少しだけ耳の全体が見えるくらいにしてみてもいいかもしれない。
「こんなとこかな。」
「うん。なんだか色々考えてくれる事は伝わったよっ。」
「それじゃあ、最後に1枚撮って今日は終わろう。」
「了解~だよっ♪」
「ツインテの位置、もうちょっと高めにしてみようか。」
「ん?いいよ。高い方が好き?」
「いや・・んー、そうかもね。」
「?」
「どう?」
「うん。いいね。ちょっと着替えよう。」
「制服・・・?」
(・・横の毛のないツインテールでセーラー服だとロ○っぽさが出ていいな。」
「マスター・・・、心の声が途中から漏れてるよ・・・。」
「でも黒髪の方が破壊力は高いかもな。」
「○リだの黒髪の方がいいだの好き勝手ばっかり・・・、舐めんじゃないわよ!!」
「出た。ヤンキーモード。中○生が無理してるみたいで、これはこれで可愛いな。」
「うう・・、ちょっとは怖がってよう。」
「タバコ吸う?」
「苦いからいらない。」
「うん。やっぱり可愛いもんだな。」
耳を出すだけでだいぶ雰囲気がかわるのですね。
より表情が豊かになった様な。
簡単な様でもちょっと勇気が要るような治療だったのかも。
英華の方は胸の入れ替えだけだったはずが細々と調整する箇所が出てきまして少し時間が掛かりそうです。
英華『チィちゃん、耳を出した方がいいかも♪私も早く退院したいけど焦らず頑張るよ。』