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白黒
「わわっ、いきなり過ぎるよ。」
「今日は何なの？随分乱暴な始まり方だけど。」
「ちょっと写真展行く機会があって、白黒写真にちょっと感動してしまったんだ。」
「もしかして・・・。」
「御明察の通り、チィちゃんを白黒にしてみよう。」
「素人が挑戦しても大丈夫なのかなあ。」
「お遊びだからいいだろ。携帯アプリとか簡単に出来るのも色々出てるし。という訳で、ちょちょい・・っと。」
「・・・私はその写真展行ってないから分からないけど、どうなの？マスターの言う”感動”みたいなのはあるの？」
「んー、色々試してみよう。」
「色々って？」
「ぶっちゃけ良く分からないが、色々あるらしい。」
「分からないけど色々・・・。もう何がなんだか。」
「遊びなんだから細かい事は置いといて、素人らしくただ単純に新しい世界を楽しもう。」
「白い部分が多くなったね。」
「専門的に何かあるんだろうな。用語とか設定とか。」
「私のマスターながら、少しも勉強しないでやっちゃうのはある意味すごいと思う。」
「色々数値いじるのも楽しいけど、一旦プリセットで撮ってみるか。」
「こんなのに付き合わされて、ポテトも大変よね。疲れたら先に休んでていいよ？マスターには私だけで付き合うから。」
「クゥ・・ン。」
「おやすみポテト。」
「んんー、正解が見えないな。」
「初めて30分で正解が見えたら、あと２日で巨匠になれるんじゃない？」
「確かに。ちょっと欲張り過ぎたか。」
「ちょっとどころじゃないよ。落ち着いて。」
「背景黒くしてみよう。」
「はいはい。」
「あれ？ポテトは？」
「可哀想だから先に休んでもらった。」
「可哀想の意味が分からないけど、疲れてるならしょうがないな。」
（だんだんマスターが可哀想な人に見えてきた・・・。）
「なんかちょっと悲しげに見えるな。」
（可哀想な人って気持ちが出ちゃったのかな？だとしたら・・・）
「もしかしたら、写真がちょっと上手くなったのかも。」
「お、そうか？」
「やっぱり今のナシ。」
「何でだよ。」
「マスターはすぐ調子乗っちゃうから。」
「まあ・・・悔しいけど分かる。じゃあ今日は終わるか。」
「お疲れ様だよっ。」
「こうしてカラーで見ると、正に撮影用って感じがするな。」
「そーゆー所に感動するのは違うんじゃない？」
「形から入るタイプだ。」
「自分で堂々と・・・ダメマスターっぷりに拍車がかかってるよ。」
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