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メイク
「うん。マスターが買ってくれた雑誌にちょっとしたコツが書いてあったから試してみてるのっ。」
「む～。うまく出来ない。」
「どんな感じ？」
「あんまり自信ない・・・。」
「ちょっとキリッとした？」
「あんまりやり過ぎると逆に変になっちゃいそうだから、手遅れになる前にこれぐらいでやめとく・・。」
「チィちゃん、髪下ろしてみて。」
「ん？いいよ。」
「何か変わった？」
「化粧の力なのか、キリッとした分お姉さんっぽくしてみた方が似合うかな～って。」
「ほんとに？じゃあちょっと着替えみるねっ。」
「どうかな？」
「いい感じだと思う。俺は俺で化粧のあれこれに自信ないから・・・。」
「ほっぺたのボカシって言うのかな？綺麗に出来ないの。」
「回数重ねて上手くなればいいんじゃない？」
「そう・・だよね。」
「ほら、5才とか10才じゃなくなってる。」
「おお～。大人だよっ。」
「良かったな。」
「これは、成功でいいよねっ。やったー♪」
化粧は服装以上に正解不正解が分からない分野なので、もはや実験に近くなってしまいました。
好みを作れるほどの力がない上、練習でチィちゃんをクチャクチャにして取り返しが付かなくなってしまうのが怖くて、なかなか強い一歩を踏み出せません。ほんの少しの変化を積み重ねていくくらいかな。
とりあえず、頬と鼻筋を少し抑えるかな。
