普段来客のない家ですが、明日はちょっとだけ家を使います。
なので、いつもリビングでくつろいでいるチィちゃんとポテトには退室してもらわないといけなくなってしまいました。
チィちゃんには申し訳ないけど、見つかる訳にはいかないので・・・。
「私の存在は人様に顔向け出来ないようなものなのね。」
(そりゃそうだろう・・・とも言えないしな。)「ちょっとだけ我慢してくれ。居る場所がちょっと変わるだけだ。」
「何よ、そのそりゃそうだろうみたいな顔は。」
「やりにくいな・・・。大事は大事だけど、さすがにチィちゃんがバレるわけにはいかないんだ。」
「とりあえず、ポテトはチィちゃんの洋服や小物類と一緒に居てくれ。」
「ワウ。」
「お、いい感じに収まったな。違和感ゼロだぞポテト。」
「ワウッ」
「いつまでもむくれてないでくれよ。お姫様モードにして、化粧もちょっと直すから。」
「いっそ、皆にばらしちゃえば?”彼女と同棲してます!”って。」
「それは・・・ちょっと待ってくれ。色々と問題が複雑なので。」
「あ、そうだ!昔買ってきたウィッグ持ってきて。」
「ウィッグ?どれ?」
「えっと、金色と茶色が混じってるやつ。あれってゴスロリとかに合うやつでしょ?今の服装にちょうどいいんじゃない?」
「あー、まあそうなのかな。持ってくる。」
「うん。よろしくね~。」
「という訳で、どうかな?」
「普段着よりかはいいね。」
「これなら私ってバレないよね?」
「ん?」
「”チィちゃんがバレると困る”って言ってたでしょ?これなら私ってバレないんじゃない?」
「いや、チィちゃんがバレるってはそーゆー事じゃないんだ・・・。」
「私明日これで皆をお迎えしていい?」
「いや、駄目だ!勘弁して下さい!」
「印象変わるから私って分かんないよ。多分。」
「だからそうじゃないんだ。」
「むう、どうしても隠れていなきゃいけないの?」
「ごめんな。窮屈な思いさせた償いに何か考えとくから。」
「それなら許してあげようかな。」
ご褒美効果のお陰か、ちょっと機嫌が直ったので良かった。
掃除して洋服やら小物も隠して、チィちゃんにも隠れててもらって。
あまり気分のいいものではないし心配は尽きないけど、何事も無く乗り切れる事を祈るばかりです。