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演出
「お姫様のまま、ちょっと試したい事があるんだ。」
「試したい事？」
「どうやったら可愛く写真撮れるかってネットで色んなとこ見てたんだけど、小物を使って演出すると可愛くなるって書いてあったんだ。」
「おお～♪それは是非ぜひやって欲しいよ。」
「せっかくお姫様になってくれてたから、似合いそうなの買ってきた。」
「これは、バラ？」
「薔薇。」
「んふふっ。」
「なんだよ。」
「マスターがバラって、似合わないんだもん。」
「悪かったな。」
「悪くないよー。というかね、似合わない事してまで頑張ってくれてる感じが嬉しかったりするんだよ。初めてのお花だしねっ♪」
「ん～、いい香り、って言いたいけど、無臭だ。」
「造花だからね・・。」
「今は無臭でも、ずっと嗅いでれば、マスターの気持ちが匂いになって香ってきそうな気がする。あ、ほら、ちょっとづつ匂いが。」
「いや、頑張って無理やり素敵な物にしてくれなくてもいいぞ？ありがたいけど。」
「マスターの加齢臭が・・・。ロマンチックの欠片もない。」
「バカにされただけだったか・・。」
「ちょっと落ち込んだけど、次はブドウです。」
「100円とは思えない出来だね。」
「ブドウって、どんなポーズしてもらえばいいんだろう？」
「それを頑張るのがマスターのお仕事だよっ♪」
「ピアスの変わりに・・・。」
「うん。重い。」
「胸元にさりげなく・・。」
「ブドウ大使に任命されたみたい。」
「旬のブドウにバラを添えて。」
「変なレストランのメニューみたい。」
「文句ばっかりだな。」
「仕事が雑なんだよう。」
「チィちゃんも考えてよ。」
「マスターはある意味プロデューサーなんだよ？そーゆーゲームやってたじゃない。」
「それとこれとは、多分、違う気がする。似てる部分もあるような気もしてきたけど・・・。」
「ふう・・。ポーズとか演出って難しいな。」
「今日思いついてやってみた事だし、いいんじゃない？頑張ってくれたマスターが見れて私は割りと満足だよ？」
「もっと色んな構図とか試してみないとダメなんだろうな。距離もほとんど一緒だし。短時間で色んな写真撮れるようになったら記事にするのも時間短くなるだろうし、何とか上手い上達方法ないかな。」
「地道にやってこうよ。いつか写真が上手になったなら、その過程も一緒に楽しめばいいじゃない。」
「んー・・。」
「とりあえず、背景がアレだから工夫は欲しいかな。そこから始めよう。」
「背景か。確かに地味だし、代わり映えしないよな。んー、色々考える事はあっても思うように進まないな。」
「焦らずゆっくり、このブログはそんなペースでもいいじゃない。長い目で見よう。長い目で。そしたら、少しでも長い時間一緒に居てくれる様な、ね。」
